今回は神奈川県横浜市の業者様よりアウディA8の天井張替えをご依頼いただきました。

Audiをはじめとする欧州車では、年数の経過とともに天井生地の裏側にあるウレタンスポンジが劣化し、生地を保持できなくなることで天井が垂れ下がってしまいます。

今回は既存の生地を再接着するのではなく、ルーフライニングを車両から取り外し、劣化したウレタンを除去したうえで新しい生地へ全面張替えを行いました。

施工前│天井生地が広範囲に剥離(業者様による応急処置済み)

アウディA8天井張替え

ご入庫時の状態になります。

業者様の方で応急処置を施して頂いていますが、全体的に垂れ下がっているのが確認できます。この症状は単純に接着剤が剥がれているのではなく、生地裏側のウレタンそのものが加水分解しているケースがほとんどです。そのため、垂れている部分へ接着剤を注入したり、部分的に貼り直しても劣化したウレタン層から再び剥離する可能性があります。しっかり修理するためには、一度ルーフライニングを取り外し、下地から作り直す必要があります。

・ルーフライニングを車両から取り外します

アウディA8天井張替え

車両からルーフライニングを取り外し、既存の天井生地を剥がしていきます。生地をめくると、内部のウレタンが黄色く変色し、ボード側へ大量に残っていることが確認できます。

※この状態では、新しい生地をそのまま接着することはできません。

張り替え後の仕上がりと耐久性を左右する工程が、この劣化ウレタンの除去と下地処理になります。

・劣化したウレタンを除去(ブラシクリーニング)

アウディA8天井張替え

専用のブラシ等を使用しながら、ルーフボード表面に残った劣化ウレタンを除去していきます。経年劣化したウレタンは粉状・粘着質になっている部分もあり、残したまま接着すると新しい生地との密着力に大きく影響してくるので、できる限り除去していきます。

・ルーフボード全面の下地処理

アウディA8天井張替え

劣化したウレタンをブラシで除去した状態です。

施工前に黄色く残っていたウレタンを可能な限り取り除き、新しい生地に接着できる状態まで下地を整えていきます。天井張替えでは完成後に見える生地表面だけでなく、見えなくなる下地をどこまで適切に処理できるかが非常に重要です。

下地に劣化物が残っていると接着力が安定しないため、全面を確認しながら処理を行います。

・細部まで下地を整えます(溶剤クリーニング)

アウディA8天井張替え

広い平面部だけでなく、曲面部分についても状態を確認しながら溶剤を使い、最終クリーニングをしていきます。ルーフライニングは一見すると平らに見えますが、実際には車体形状に合わせて成形されています。新しい生地を張り込んだ際に凹凸や下地の状態が表面に影響しないよう、細部まで処理を行ってから次の工程に進みます。

・接着剤を均一に塗布~新しい生地を張り付け

アウディA8天井張替え

下地処理完了後、ルーフライニングへ接着剤を塗布します。面積の大きなルーフライニングでは、接着剤の塗布量や乾燥状態にムラがあると、施工後の浮きや剥離につながる可能性があるので接着剤を全面へ均一に塗布し、適切な状態を確認して生地を張り込みます。

接着剤塗布後は新しい生地の張り込みを行いますが、ボードの形状(凹凸部分や曲面部分)に注意しながら施工をしていきます。生地を無理に引っ張るとシワや浮きの原因になるため、生地の伸縮性を利用しつつ形状に合わせて馴染ませながら張り込んでいきます。

今回はカラーチェンジ等はなく、アウディA8の純正に近い色のライトグレーを使用しました。

Audi A8 天井張替え完成

アウディA8天井張替え

新しい生地への張り替え後、ルーフライニングを車両に戻し、取り外していた各内装部品を復元して施工終了です。

今回は純正に近い色味を選択しているため、サンバイザーやピラー、ルームランプ周辺など既存の内装とも自然に馴染んでいます。

欧州車の天井が垂れてしまう原因とは?

Audi・BMW・Mercedes-Benz・Volkswagenなどの欧州車では、年数の経過による天井生地の垂れ・剥がれについてご相談を頂くことが多いです。多くの場合、原因となっているのは生地とルーフボードの間のウレタンが加水分解によって劣化してしまうことが主な原因です。高温になりやすい車内や湿気、日本の気候によってウレタンが徐々に劣化していき、天井が垂れ始めます。

お困りな事はSEAHORSEまでお問い合わせください

天井の垂れは、最初は一部分だけでも徐々に範囲が広がり、最終的には後方視界や乗車時の快適性に影響するほど垂れ下がることもあります。

Audiをはじめ、BMW・Mercedes-Benz・Volkswagenなど、欧州車のルーフライニングの垂れや剥がれでお困りの場合はお気軽にお問い合わせください。車種や天井の状態を確認したうえで、施工方法をご案内いたします。