今回は、東京都世田谷区の業者様よりご依頼頂きました、ポルシェ911カレラの天井(ルーフライニング)アルカンターラ剥がれ修理をご紹介します。
ポルシェをはじめとする欧州車では、ウレタンが加水分解によって劣化し、天井に剥がれ・浮きなどが発生します。今回のお車も、天井に使用されているアルカンターラ部分が浮いてきていて天井から剝がれている状態でした。アルカンターラ自体はとてもきれいな状態でした。そこで今回は張替えではなく、純正のアルカンターラを再使用し、下地ウレタンも張り付ける方法で施工しました。
施工前│911カレラの天井アルカンターラ剥がれ

こちらが施工前の状態になります。
写真をご覧いただくと、天井のアルカンターラが下地から剥がれているのが確認できます。一見すると表面のアルカンターラだけが剥がれているように見えますが、今回の原因は、当然のウレタンの劣化によるものです。
・ルーフライニングを車両から取り出す
※(当店の従業員が出演しています)


まずはサンバイザーやルームランプ、ピラー等、天井周辺の内装部品を順番に取り外していきます。ポルシェ911の車内はそんなに広くはないですが、意外と天井が大きいため内装を傷付けないように慎重に作業を進めます。

ルーフライニングを取り出す時は、養生をしてから取り出します。無理な力をかけないように注意しながら作業します。天井修理は生地を張るだけでなく、車両からの脱着含めて慎重な作業が多くあります。
・純正アルカンターラを慎重に剥がす

車両から取り外したルーフライニングがこちらになります。
今回は現在使用されている純正アルカンターラを再使用して張り直す施工のため、生地を傷めたり必要以上に伸ばしたりしないように丁寧に剥がしていきます。
・天井剥がれの原因となった劣化ウレタン

アルカンターラを剥がすと、ルーフライニングには劣化したウレタンが残っています。これをキレイにしない限りは張り直しはできないのでここからクリーニングを行います。
・劣化したウレタンを除去(クリーニング)


ブラシなどを使用しながら、ルーフライニングに残った劣化ウレタンを丁寧に除去していきます。地味に見える作業ですが、天井張替え、張直し施工において非常に大切な作業になります。古いウレタンが残っていると新しく施工する接着剤の密着にも影響してきます。
アルカンターラ側も丁寧にクリーニングしていきます。
・新しい下地ウレタンの張り付け施工

下地のクリーニングが完了したら接着剤を塗布し、ルーフライニングに新しいウレタンを張り付けていきます。

今回の施工では、劣化したウレタンを除去したルーフライニングに直接張り付けるのではなく、新しいウレタン層を作ってからアルカンターラを張り直します。(この下地ウレタンは実際に天井張替えで使用している生地になります)

下地ウレタンの張り付け完了です。通常の天井張り替えならこの作業で終わりですが、まだまだ続きます!
新しいウレタンを入れることで適度なクッション性を持たせ、純正に近い質感を出すことができます。
・純正アルカンターラを再使用して張り直し

新しい下地ウレタンの施工が完了したら、最初に取り外しておいた純正アルカンターラを張り直していきます。両方に接着剤を塗布します。

元の位置や形状を確認しながら、シワや浮きが発生しないよう、ルーフライニングの曲面に合わせて施工していきます。今回のような張り直しは色味や質感を残したまま修理することができます。細かな部分まで仕上げたら張り直し完了です。

施工後│ポルシェ911カレラ天井アルカンターラ張り直し

張り直しが完了しました。いかがでしょうか。
劣化したウレタンを除去し、新しいウレタンの張り付けとアルカンターラの張り直しを行いました。施工前に発生していたアルカンターラの浮きや剥がれもなくスッキリとした天井に仕上がりました。純正のアルカンターラを再利用したので車内の雰囲気も変えることなく施工出来ました。